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国家賠償訴訟に関するQ&A

安愚楽牧場被害に対する国家賠償請求訴訟に関するQ&A

Q1) なぜ和牛商法の被害で消費者庁を訴えるのか。投資の失敗を国に押しつけるのか。

A1) 和牛商法は消費者庁の所管する預託法で規制の対象に入っています。今回の国家賠償請求訴訟は消費者庁(および前所轄官庁だった農林水産省)の不作為により拡大した被害についてその責任を問うものです。投資の失敗を国に償えと言っているのではありません。
 これは、薬害エイズ問題で監督官庁である厚生労働省の責任が問われたのと同じ構図です。ですから、この訴訟を通じて、行政の怠慢が改善されるのであれば、国民全体の利益にも資すると考えます。多くの方々のご理解とご支援をお願いします。

Q2) 「監督官庁の不作為」とは何なのか。

A2) 預託法違反の刑事裁判(第1審)では、「遅くても1995~96年の時点で、牛の数が足りていなかった」という元従業員の調書があることが判明しています。預託法が和牛商法に適用されたのは97年8月ですから、その時点で安愚楽はすでに預託法違反の状態だったことになります。
 また、安愚楽牧場の破綻直後の2011年11月には、消費者庁は同牧場に対して、景品表示法に基づく処分をしましたが、その検査内容から、2007年の時点で大幅に預託牛の数が不足していたことが明らかになっています。
 つまり、少なくても2007年の時点で、所轄官庁が景品表示法または預託法に基づく処分を行っていれば、それ以降の被害の拡大は防げたと考えられます。(和牛商法事業者として安愚楽牧場と並び存続していた「ふるさと牧場」は、2007年に、当時の所轄官庁だった農林水産省の調査により預託牛が存在しないことが判明し、業務停止命令を受けて破綻しています)

 また、農水省は、2009年1月の立入検査で、実在を確認したオーナー牛の数と帳簿上の数が一致しないことに気がついていました。担当者は、牛トレーサビリティ法による個体識別番号と直営牧場に実在するオーナー牛の数が一致することを確認しましたが、帳簿に記載されたオーナー牛の数がそれよりも多いことに疑問を持っています。しかし、その担当者は、大石専務(当時)から「直営牧場から委託牧場に移動した」という弁解のメールを受け取っただけで、それ以上の詳細な調査をせず、「検証不能」ということで調査を終了。同年の9月には、担当官庁が消費者庁に移管されてしまいました。
 これに加えて、翌2010年春には口蹄疫が発生し、7月には安愚楽牧場から消費者庁に調査報告の申し出がありましたが、担当課長がそれを断り、そのまま放置されていたことも判明しています。この問題については、担当課長が厳重注意を受けていて、2012年2月には担当大臣も国会で謝罪しています。
http://media.yucasee.jp/posts/index/10495?la=bn02

 なお、農水省・消費者庁の監督責任については、2011年11月19日付けの日本農業新聞でも取り上げられています。
http://koji.air-nifty.com/cozyroom/2011/11/20111119-e122.html

Q3) ちゃんと調べもしないで大金を投資した自分たちが悪いのではないか。「投資は自己責任」で国に責任はないのではないか。

A3) 安愚楽牧場はオーナーと呼ばれる契約者には、業績は好調であると書かれた事業報告書を送付していましたが、その一方で、税務署には事業赤字の申告をし、何年も税金を支払っていませんでした。
 このような実態は立ち入り検査をしなければわかりませんが、その権限を有するのは国だけです。しかし、A2のとおりその権限がきちんと行使されていませんでした。その結果として、契約者は虚偽の情報を基に契約の判断をしていたことになります。
 今回の提訴では、ふるさと牧場が破綻した2007年の時点で、安愚楽にも業務停止命令が出ていれば、それ以降の被害は防げたはずだと主張しています。具体的には、2007年12月以降に新規入金した契約について、その契約額の50%を賠償請求しています。

Q4) 国の対応に問題があったにせよ、それで賠償が認められた事例はあるのか。

A4) 国の対応に問題があったとして、経済的損失の支払いを国に求めたものとして「大和都市管財事件」があります。
 この事件では、旧大蔵省の出先機関であった近畿財務局が、抵当証券の販売を行っていた大和都市管財の債務状況を十分な調査しないで抵当証券業の更新登録を認めたのは違法だとして、1997年の更新登録以降に入金した契約に対して、約15億5880万円の損害賠償を国に命ずる判決が確定しています。
 この裁判では「購入者保護を目的とした監督規制権限の恣意的不行使」が違法とされましたが、国家賠償法が定める「公権力の行使」には不作為、行政指導が含まれるとされています。
http://blog.goo.ne.jp/urmt/e/89ecd04091ca09043b83a4bc161f2034

Q5) 国を訴える以前に、「リスクはゼロ」などと安愚楽牧場の宣伝を行っていた海江田万里・民主党党首を訴えるべきではないか。

A5) 海江田万里氏に対しては、2013年2月に被害者30名が約6億2000万円の損害賠償を求めて提訴していて、2014年5月の時点で7回の期日が行われています。傍聴は自由です。
http://agurahigai.a.la9.jp/kaeidasaiban.html
 かつて、経済評論家としてマスコミにも頻繁に登場していた同氏は、著作等で安愚楽牧場の預託制度のことを「知る人ぞ知るといった高利回りの利殖商品」、「利益は申し込み時に確定していて、リスクはゼロ」と言って推奨しており、自身もオーナーであると語っていました。
 しかし、この訴訟の対応はすべて代理人弁護士任せで、一度も出廷していません。また、「(記事を)執筆した時期と、その後の日本の経済は全く異なっており、評論の効力はなくなったと考えている。損害賠償責任を負うものではない」と反論しています。しかし、同氏が喧伝したのは、日本の経済情勢とは関係のない安愚楽のビジネスモデルであり、この反論は意味を為していません。
 同氏が党首就任後の2013年2月に決定した民主党綱領には「我が党は、「生活者」「納税者」「消費者」「働く者」の立場に立つ。」との一文があります。戦後最大の消費者被害である安愚楽牧場事件の被害者にきちんと向き合うべきです。



 このQ&Aは、安愚楽の被害者有志によって書かれ、すでにネット上で流通しているものですが、あぐら被害者の会で加筆・増補したものを、ここに公開しました。国賠提訴の目的や意義を考える際の参考にしていただければ幸いです。
 なお、国賠訴訟については、2012年に全国弁護団が消費者庁に送付した「安愚楽牧場被害に関する解決要求書」も参照してください。

http://agurahigai.a.la9.jp/yokyusyo20120827.pdf



(6/1追記)
A2の監督官庁の不作為について、より詳細な情報を加筆しました。
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